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2009年6月 6日 (土)

木曽路 

『木曽路はすべて山の中である』 島崎藤村の夜明け前の冒頭の一節であります。もうこれだけで胸がキュンとなってしまいます。その素敵な木曽路の中でもベスト3に挙げられる宿場町が『妻籠宿』 『馬籠宿』 『奈良井宿』です。今日は贅沢にもこの3つの宿場町と浦島太郎伝説が残る『寝覚の床』へと行ってきました。

【今日のコース】 西宮→宝塚IC→中国自動車道→吹田JCT→名神高速道路→小牧JCT→中央自動車道→中津川IC→19号線(中山道)→妻籠宿→7号線(歴史国道中山道)→大妻籠男滝女滝妻籠峠馬籠宿→7→19(中山道・木曽路)→寝覚の床→19→奈良井宿→19→361号線→姥神峠→権兵衛街道→伊那IC→中央自動車道→名神→中国→宝塚IC→西宮

妻籠宿と馬籠宿。人気の上でも双璧の宿場町と思っていたのですがネットで調べると俄然人気があるのが妻籠宿です。その意見を集約すると妻籠は古い家がそのまま残っていて本格的な感じがするのに対して、馬籠は観光客向けにアレンジされた感が強く情緒に少し欠けるというものでした。行く前にはそのために8:2か7:3位で妻籠に心が惹かれていましたが実際に足を運んでみますと馬籠もとても素敵でありました。観光客に寄り過ぎる、というのは観光客にどうやったら喜んでもらえるかを真剣に考えている訳でもあります。観光客も気紛れ、かつ、自分勝手で、ある時には便利よりも風情を、ですがある時には風情よりも便利を、となります。この辺りのバランスが難しいところです。

本当は妻籠宿の旅籠で一泊して「ゆっくり&のんびり」と宿場町を楽しみたいと思っていましたが、諸般の事情により日帰りとなってしまいました。一泊計画では宿泊地の妻籠から馬籠まで一旦バスで行って馬籠を観た後、旧中山道を歩いて昔の旅人たちが感じた空気や見たであろう風景を満喫し、妻籠の旅籠に戻ってその窓から街道を歩く人々を眺める、というものでした。歩きの所要時間は3、4時間です。これも絶対に楽しいだろうな~。馬籠から妻籠へ歩く方がその逆よりも坂道の関係で楽チンだそうです。

旧中山道で思い出しましたが、昔新人女子アナウンサーがこれを「いちにちぢゅうやまみち」と読んだそうです。でもそれも木曽路ならOKです。

妻籠宿に行こうと思ったのは雨の宿場町を見たかったからなのですが次第に天気は晴れの方向へと向かっています。途中高速で雨に降られはしましたが、その後は雨の心配はありませんでした。藤村に刺激された訳ではありませんが、雨のしかも夜明け前の町並みを三脚を立ててしっかりと撮りたいと思いましたが、現実は思い通りになりません。雨は無し、そして夜は妻籠に着く頃にはすっかりと明けていました。

http://www.tumago.jp/

宿場内は10時から16時までは歩行者天国となっています。ただ早朝に着いた僕には宿場内を車で走る特典が頂けます。ゆっくりとフィットを日本の風景の中を走らせます。いいですね~、もう最高です。空には沢山のつばめが飛び交っています。軒下にはツバメの巣がマンションの様に並んでいました。

歩いて宿場内を散策する為にフィットを中央駐車場に置かせて貰います。早朝の有料駐車場(普通車500円、二輪車200円、共に1日)にはまだ係りの人も来ていません。だから今回は特別無料です。かじか橋を渡ってゆったりとした時間が流れる宿場町の世界に足を踏み入れていきます。昼の間は観光客でごった返すであろうここも町全体がまだ眠りの中にいるように静かです。妻籠はほぼ平坦な道のりです。馬籠は坂道にあるので対極です。駐車場に止めると代金と引き換えに貰える(と書いてあった)場内マップもないので町の入口にある案内図を頭にインプットします。と云っても一本道ですので迷子の可能性はゼロです。自分のイメージと重なる風景をカメラに納めていきますDsc_0034_4 Dsc_0058_3 Dsc_0051 Dsc_0067 Dsc_0092 Dsc_0103 Dsc_0125 Dsc_0134 Dsc_0144 Dsc_0175 Dsc_0182 Dsc_0208 Dsc_0157 Dsc_0252 Dsc_0237 Dsc_0266 Dsc_0229 Dsc_0263 Dsc_0270 Dsc_0279 Dsc_0283 Dsc_0280

町には外敵からの攻撃に備えて道が90度に折れている場所があったりして時代の背景を感じさせてくれます。歴史の息遣いが感じられる町を歩いていると嬉しくてひとりニコニコしてしまいます。こういうとき突然人と出会ったりすると自分の顔を普通に戻すのに苦労したりします。町の外れに来ると高札があります。情報の伝達方法も今ではインターネット。文明の進化に驚くばかりです。

他の宿場では感じられなかった妻籠だけで感じたこと。それは昔の匂いでした。僕にとっては東京の下町にあったおばあちゃんの家の匂いでありました。木の匂いと空気と太陽と雨と風とが入り混じった懐かしい昔の記憶の中の匂いです。町を歩いているとフッとそんな匂いに包まれる瞬間が幾度となくありました。

フィットに戻ります。2箇所目は寝覚の床に行く予定でしたが、急遽妻籠へと目的地を変更します。まだ時間的に早いので妻籠も人が居ない時に見たいと考えたからです。途中、妻籠~馬籠散策コースの見所スポットである大妻籠、男滝女滝、馬籠峠に寄り道しながら向かいます。

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馬籠は坂の町です。600mも風情ある家並みが坂の両側に続きますここで考えるのは上から下へ向かうのか、下から上へと向かうのかであります。ハムレットの様な心境です。楽あれば苦あり、苦あれば楽あり。美味しいものは最初に味わうのか、最後に残しておくのか。人間に生き方の根源的な問題です(←そんな大げさなものではない!?)。ということでちょっぴり悩みますが僕はフィットを下の駐車場に置いて、下から上に向かい、帰路上から下に降りてくることにしました。

http://www.kiso-magome.com/

駐車場はHPに基本的に無料とあります。早朝訪問者である僕は係りの方もいないので多分ここだろうという場所にフィットを止めさせて貰い、坂道へと挑戦しにいきます。途中、写真を撮りながらの「ながら歩き」ですので息が切れたりすることはありません。眼下に山並みが広がり雲が棚引いています。多くの写真が28-300のタムロンのズームレンズを使用しています。広くない道の両脇に並ぶ家々を撮るにはこれ一本で大丈夫です。他に10-20(シグマ)、18-70(ニコン)も持参しましたが殆ど登場の場面はありませんでした。

坂の途中、藤村の記念館や観光案内所もありますがまだ開いていません。ここでもパンフを貰えずに入口にあった立看マップを見て進みます。ここも一本道なので見所を見落とさないようにする為だけです。上入口に到着し、さらに坂を上って高札場、展望台へと進みます。展望台には藤村の小説の一部が碑となっています。

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再び来た道をゆっくりと降りていきます。帰りは楽チンモード全開です。道端に咲く小さな花たちにも目が行く余裕があります。観光客もボチボチと歩く姿を見かけるようになり、喫茶店もモーニングを準備し開店し始めます。

宿場町を梯子したら相応に時間になってしまうと思っていましたが、まだまだ余裕があります。そこで寝覚の床を訪ねることとしました。

http://www.avis.ne.jp/~hinoki/page3_1_1_1.html

寝覚の床(ねざめのとこ)はライダーが読む雑誌に必ず取り上げられると云って良いほどライダーご用達の観光スポットです。僕も一度は行かなければ、と思いつつ年月だけを重ねていましたがやっと行くことが出来ました。しかしフィットで、でありました。ライダーの皆さん、誠に申し訳ありません。ガソリンスタンド脇から坂道を降りていくと駐車場(無料)があります。ここから歩いていくのですが「裏寝覚」へのコースもあります。生憎こちらの方は崖崩れで通行止めとなって行く事ができませんでした。美術公園を横切っていくと目の前に寝覚の床が現れます。男性グループが既にその巨石まで辿り着き端に立って下を見ています。僕にはそんな芸当は出来ません。お尻をぴったりと石につけてカメラを覗きます。浦島太郎はどこであの玉手箱を開けたのでしょうか。

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ここまでで帰る予定でしたがツーリングマップルを見ると奈良井宿もそんなに遠くない距離にあります。なかなか来られる場所でありませんからここは欲張って足を延ばして3つ目の宿場町へと向かいます。

http://www.naraijyuku.com/info/menu.html

奈良井では丁度、木曽漆器祭を開催中で多くの人が来ていました。無料駐車場の道の駅は満車で小さいフィットも止める事が出来ません。仕方が無いのでその先へと車を走らせます。警備の方に従い木曽楢川小学校の校庭に車を止めます。ここから無料シャトルバスが奈良井宿と漆器会場である木曽平沢との2箇所へと出ています。僕は奈良井宿方面へのバスに乗って行きます。こちらも宿内は車が通行止めとなっています。奈良井は約1km続く町並みを有しています。宿場町で一番の長さであろうとされています。往復2kmのコースですがいろいろな家並みやお店があってその長さを感じさせません。人の居ない宿場町も素敵ですが、人の多くて活気のある宿場町も往時を思い出させてくれるようで楽しいものでした。 Dsc_0718 Dsc_0698 Dsc_0724 Dsc_0003 Dsc_0001 Dsc_0060 Dsc_0049_2 Dsc_0105 Dsc_0019_2 Dsc_0039

帰路は伊那ICから高速に乗って行きます。コース取りはすべてナビ任せでありました。この日のフィットの成績は総走行距離704km、平均燃費19.0km/L(メーター読み)でありました。燃費に関しては行きの高速で21kmを叩き出していたので期待が高かったのですが、木曽の山道を快適に飛ばしたのと、高速でもエコよりも周りの車とのバランスを重視した為にアクセルワークが少し強めに作用したのが響いたようです。

行きの高速代は1,850円、帰りは2,200円でありました。通常片道5,750円ですがETC休日特別割引の恩恵を頂戴します。行きは大都市近郊割引が5割引、帰りは3割引なので若干金額が異なっています。フィットによるナビ初クルーズの旅でありました。

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コメント

木曽路を日帰りとは、車でもすごいですね。
ETCの恩恵で704kmの遠出とはうらやましい限りです。
 「雨の宿場町」に、また挑戦してみてください。
 

投稿: kanoko551 | 2009年6月 7日 (日) 21時45分

今写真をアップ中です。
早々にコメントありがとうございます。
木曽路はずっと心の隅にあっていつかは
行ってみたいと思っていました。
中部北陸のツーリングマップを見つめ
色々なシュミレーションをしたりして
遊んでいましたが、雨との情報もあり
トワイライトに浮かび上がる雨の妻籠宿を
見たくなり飛び出してしまった次第です。
残念ながらトワイライトも雨も幻となって
しまいましたが、kanoko551さんも
仰るようにまた行くべき理由ができたと
前向きに考えることにします。

でも往路の雨、帰路の仮眠など車ならではの
恩恵を被った旅となりました。

投稿: tetsu | 2009年6月 7日 (日) 22時02分

木曽日帰りの旅、お疲れ様でした。
もうフィット君もすっかりなじんで文字通り
フィットしたでしょうね♪
石畳と木の香り...古き良き宿場町。
今回お預けだった雨の宿場町、
またフィット君でチャレンジですね。

投稿: kazuh | 2009年6月 8日 (月) 23時17分

ご機嫌の木曽路の旅でした。
行きたくて行きたくて仕方がなかった
妻籠と馬籠。なんでそこにいるだけで
落ち着くのでしょうね。
歴史を刻んでいる町は魅力があります。

雨降る宿屋で夜、囲炉裏の火を見ながら
主人の話を静かに聴いている光景が
浮かんできます。
またいつか行ってみたいです。

ライダー通信と名付けているのに
羊頭狗肉ですね。
でもフィット、車体の軽さから高速で
転がる様な安定感があったランクルとは
違いますが、特別な違和感も無く
700kmの道のりも気持ちよく走ることが
出来ました。見切りの悪さから気になって
いた車両感覚も少し慣れてきたようです。
コストパフォーマンスの最高に良い車だと
思います。

投稿: tetsu | 2009年6月 9日 (火) 21時48分

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