四国八十八ヶ所お遍路の旅。2006年のゴールデンウィークに四国八十八ヶ所をカブで一週間掛けて廻らせて頂きました。(ツーリングレポートご参照)
今日はカブでなくバスが僕の相棒です。四国の周り方は色々とあります。昔は歩いて周るしかありませんでしたが、今日では交通手段が発達し、車やバイクで周る人も多くいます。車でも自家用車だけではありません。一週間くらいでタクシーで周る人もいます。タクシーの場合、ひとりだと50万円強、ふたりで28万円弱の費用負担が必要です(近畿から出発の場合)。費用の面で一番安心なのがバスツアーです。今回僕が参加したツアーは1番札所から6番札所までの6寺を周るものでした。そのお値段はなんとなんと驚きの2,980円です♪ でもこのお値段にはちゃんと秘密があります。旅行会社としては、この一回目のツアーに参加してもらい、この後に続く区切り打ちのツアーに継続して参加してもらう事が最終目的です。そのために最初のツアーは無謀とも言える値段設定となっています。でも継続するか否かは全くの自由です。お遍路のさわりをちょっぴり体験したい、雰囲気だけでも知っておきたい、と思われる方にも気軽に参加することが可能です。
でもこのバスツアー、良いところもあれば、悪いところもありました。それではバスツアーお遍路物語の始まり、始まり~。
まずはこのツアーの売り出しの文句をご紹介します。題して<20大ポイント>です。
- 四国霊場会公認先達又はお寺の僧侶が同行
- 27ヶ所より選べる出発地
- 巡拝用品もご案内
- 添乗員同行
- 朱印集めは添乗員が代行
- 毎月1回、全12回で結願
- 心和む嬉しい法話付
- 1名様の参加も大歓迎
- 1回だけのご参加もOK
- 開通10周年明石海峡大橋を通ります
- 日帰りは昼1回、宿泊は全4回の食事付
- 全12回500ml入りペットボトルお茶1本付
- ご昼食は竹の子弁当を用意
- 煩悩の刻印入り数珠玉付
- ご利益まんじゅうご賞味
- 第1回はどの設定日に行っても2,980円
- 参拝の心得書付
- 納め札(ひとり100枚)付
- 四国讃岐うどんお持ち帰り
- 四国巡礼マップ付
注:17~20は第1回参加の方に特別ポイント
7時40分に梅田の新阪急ホテル1階ロビーに集合です。30分ほど前に着きましたが他のツアーの方たちも居てロビーは結構混雑しています。ロビーに中にある喫茶店で座って待っていて下さいと案内があります。トイレもあるので安心ですが、男トイレには元気印のおばちゃん軍団がなだれ込んで来ていました。
時間が来てロビーからホテルの1台しか停まれないバス専用の駐車場に並びます。間もなくバスが現れ乗り込みます。出発進行です。御堂筋を南下し難波で10名ほどの人を乗せ、阪神高速に入ります。
添乗員さんは麒麟の田村君(ホームレス中学生著者)に似ていたのでここでは田村君とします。田村君から朱印帳集めの為の専門スタッフの女性が一人、バスの運転手さんとガイドさん、そして先達さんが紹介されます。
高速は順調であっという間に明石海峡大橋の上の人となります。全長4kmの橋の上は3分位の滞在時間です。淡路島のSAでトイレ休憩があります。大鳴門橋を四国に渡りますが橋の下にはあのうずしおを見ることが出来ます。今回の旅では往復路とも見ることができました。しかも田村君も大絶賛の大きな渦でありました。
バスの中では先達さんによる今回の巡礼の作法が案内されます。山門にて合掌し一礼、手洗いで手を清めます。口を漱ぐとする案内書もありますが、いまは溜まり水となっている所もあり衛生上の問題から手だけを清める方が良いとのことでした。そして本堂に参り、納め札、線香、ロウソク、お賽銭を納めます。線香の数は現在過去未来の3本が基本との事ですが家で2本でいつも仏様を拝んでいたりする人は家での作法に合わせて対応されてもOKとのことです。線香はお祈り中にお迎えして下さる仏様を香でもてなし、ロウソクは心に灯す智恵であります。そして合掌してお経を唱えます。次に大師堂に行き、本堂と同じお参りを行います。
僕が2年前に88ヶ所を周った時は、手洗い、線香、ロウソクはしませんでした。でも今回はお遍路のノーマルな作法にて行いたいと思います。お経は<20大ポイント>17番にある参拝の心得書に今回唱えるお経が書かれています。別途購入する必要はありません。般若心経がメインとなります。
先達さん曰く、バス巡礼のメリットの1番は、添乗員さんが納経を代行してくれること、2番目は作法を知ることが出来ることと言われていました。納経とは納経所で住職さんから納経帳やお軸、白衣などに朱印とあの独特な墨字を頂戴することです。通常お参りしてから一番最後に納経所に寄りますが、結構行列が出来ていたりして時間が掛かることがあります。2年前に周った時にも団体さんの納経帳が積み重なっていると少しげんなりした事を思い出しました。お寺さんによっては窓口を団体用、個人用と分けているところもありましたが、逆に団体も個人も区別差別をしないとするお寺さんもありました。納経所でご住職と一言二言話をするのもまた楽しいことであります。『ご苦労様です。バイクでお周りですか?』などとバイク談義で盛り上がったこともありました。
そうするうちに気付けば一番さんへ到着です。一番札所『霊山寺』です。
バスから降りるとまずは団体専用の巡礼用品売り場に案内されます。和室にテーブルが並べられ、納経帳や白衣、輪袈裟、金剛杖、山野袋、経本などがいく種類も置かれています。納経帳も1,500円から3,500円位まで松竹梅と仏の世界でもランクがあったりします。紫色の納経帳をゲットします。ここは奮発して松ランクのものを戴きました。売店ならぬ売り部屋に隣接した部屋で田村君が待っています。そこで納経帳を田村君へ渡して以降の納経代行をお願いします。その際、納経帳だけの人は納経代として5寺分×300円の1,500円を一緒に渡します。霊山寺で納経帳を買うと既に納経済みであり代金も込みになっているので以降のお寺分の代金だけでOKです。納経帳以外では、お軸は500円、白衣は200円が掛かります。バスツアーの場合、一人で納経帳、お軸、白衣それぞれ1点ずつが代行依頼の限度となっています。
行く前に少し気になったことがありました。それは白衣の着用の有無です。2年前の白衣を持参しましたが、僕の白衣は『白』と名を付けるには少し抵抗のある色となっています。今回のツアーは40人強の人が参加されましたが白衣を持参された方が1名、この1番札所で購入された方が5、6名居ただけで、多くの人が普段の格好のままでした。これには温度差があるらしく、途中で出合った他の団体さんなどでは殆どの方が白衣を着ておられるのを見かけたりしました。納経は途中から始めることは不合理ですので最初からやられる方が絶対に良いのですが、白衣は途中からでも全然OKですので必要と思われたときに買われたら良いと思います。靴の脱ぎ履きは6寺の中でこの売店のみ必要でした。お寺さんによっては靴を脱がなければならないところもありますので運動靴でも靴べらを持っておいた方が良いかも知れません。僕はこのようなときの為に使い古しのテレカや電車のカード(ラガールカードなど)を一枚ポケットに忍ばせて置きます。薄くて強いので簡易靴べらとして重宝します。
参加者全員が必要なものを揃え終わるといよいよ霊山寺さんの山門をくぐります。一人であれば本当はこれからの巡礼を思い山門の前で心を落ち着かせたいのですが団体行動です、山門を見上げる余裕もなく境内の人となります。そしてすぐに写真撮影と相成ります。先達さんを最前列真ん中にしてみんなでハイポーズ。
そしていよいよご本堂へ向かいます。ご本堂でロウソクと線香をあげようとしましたら先達さんが『それは後にしていいから早く中へ入って』と急かされます。えっ?と思いつつ中へ入ると住職さんの法話が既に始まっています。既に前の方は一杯で最後尾の椅子にしか座れません。背中の方では団体さんによるお経が声を合わせて行われているので、法話の声は全く聞こえてきません。有り難いのか有り難くないのかも分からぬまま法話は終わります。出だしの印象は最悪です。羊頭狗肉。法話をひとつの売りにしているのにこれはないでしょ、とちょっぴりおかんむりです。その後も慌しくロウソクと線香を上げ、納め札とお賽銭を納めます。気持ちが焦ります。その後先達さんの周りに集まります。皆で始めてのお経です。『観自在菩薩・・・』
お経を終えると次に大師堂へ移ります。大師堂でもご本堂と同じくロウソク、線香、納め札、お賽銭、そしてお経を唱えます。2番さん以降も手順はすべてこの繰り返しとなります。
ここで納め札について触れておきます。納め札は札所を訪ねたお印です。本来写経を行いそれを奉納するのですが、これはとても大変です。それを簡易にしたものでもあります。自分の住所と名前、そして訪れた日にちを記します。ただ近年、住所についてはそれを悪用したり流用したりするケースが増えているので番地まで詳しく記すことは避けたほうが良いでしょう。お大師さんは番地まで無くてもちゃんと誰がお参りに来てくれたか分かってくれますから大丈夫です。納め札は全部で6色あります。白、青、赤、銀、金、そして錦です。好きな色をチョイスするということではありません。お遍路の回数により使用する札の色が決まっています。白は1回から4回まで、青以下5回以上、8回以上、25回以上、50回以上、100回以上となっています。本日同行の先達さんは130回以上巡礼されています。納め札入れを物色している人を見たことがあります。札入れから銀や金(錦は滅多に目にすることが出来ません)の札を取り出し自分のものにしていきます。有り難いお札を身に着ける事から始まったのでしょうが、いまではそれを転売したりする輩が跋扈しています。他人様がどうのこうのより自分自身が納得する遍路をしたいものです。
一番札所の霊山寺さんを訳の分からないまま(に近い感じ)後にします。バスに戻ると座席に弁当とペットボトルのお茶が置いてあります。早くバスに戻った人はすでに弁当を広げ食べられています。でも2番札所の極楽寺さんがすぐ近くであることを知っているので僕は我慢しました。5分ほどで到着です。
2番札所の後、6番→5番→4番→3番と周りました。2番から6番へは15分ほど掛かりますがこれは食事タイムを取るためのものです。今回のツアーでは3番の後、金剛杖を忘れた方が居たので再び4番に戻るアクシデントが付いておりました。
2番札所でもまだ勝手を十分に理解しておらず、本堂でお経を唱える前に大師堂へ行ってしまったりしました。3ヶ所目の6番札所からようやくその手順を理解してきましたが、慌しく時間が過ぎることに変わりはありませんでした。元々今の自分の身体が集団行動に適していないことを知っているのでその対策には十分注意していたのですが、やはり2度ほどおかしくなってしまいました。身体だけでなく、気持ちの上でももっとお遍路の匂いを感じたかったのですがどうもそれもこのバタバタしている中では難しいようです。
帰路、徳島県指定観光ステーションの『阿波の里』に立寄ります。ここでご利益まんじゅうが提供されます。そして四国とお別れです。行きのコースを逆に辿ります。淡路島では『淡路ハイウェイオアシス』でトイレ休憩です。月見山で事故渋滞と電光掲示板が知らせています。帰りは順調に帰れないと覚悟していましたが、所々渋滞はしていましたがなんとか予定通り戻ることができました。梅田そして難波の順にお客さんを送り届けます。梅田では中央郵便局近くのJR高架下に停車します。
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